主軸ユニットくん3Dモデル(Ver0.1)の制作

マシモン研究所は、主軸ユニットくんの3Dモデルを制作いたしました。

ここ数年、VRが盛り上がりを見せています。
当研究所としても、没入感の高い映像体験を可能にするVR技術を、研究活動や広報活動、教育活動に活用できないか模索しているところです。

VRを用いたコンテンツは数多くありますが、当研究所はその中でもVRChatに注目しています。
VRChatはいわばコミュニケーションツールであり、毎日多くのユーザーが利用しています。
3Dアバターを用いて他のユーザーと交流することができるだけでなく、ワールドと呼ばれるバーチャル空間を自分で作成し、他のユーザーを招待することも可能です。
また、プログラミングのスキルが必要になりますが、ワールドに様々な機能や遊びを実装することもできます。

当研究所は、ゆくゆくはVRChat上にワールドを作成し、そこで国内外問わず様々なユーザーと交流したり、情報発信をしたりするための場として利用することを考えています。
しかしながら、3Dモデルの作成にはモデリングソフト、ワールドに機能を実装するにはゲームエンジンを使いこなす必要があるなど、高いハードルがあります。

計画の第1段階としてモデリングソフトの基本操作習得を目標に、当研究所のメインキャラクターである「主軸ユニットくん」の3Dモデルの制作に取り組みました。
さらに、制作したモデルをVRChatサーバーにアップロードし、実際にアバターとして使用できることを確認しました。

制作の流れ

1. Blenderを用いて3Dモデルを作成

3Dモデルの作成にはBlenderを使用しました。
Blenderはオープンソースのモデリングソフトで、無料で利用することができます。

モデリング→UV展開→テクスチャ作成→ボーンおよびウェイトの設定という手順で3Dモデルを作成しました。

主軸ユニットくんの3Dモデル

オレンジ色で強調表示されているものはボーンと呼ばれ、3Dモデルの骨格にあたる

2. Unityでアバターとして使用可能にするための調整を行う

Blenderで制作した3Dモデルはそのままではアバターとして使用できません。
3Dモデルをアバターとして利用できるようにデータをコンバートする必要があります。
データのコンバートおよびVRChatサーバーへのアップロードには、VRChatの運営が配布しているUnityアドオンを利用します。

Unity上では、作成したモデルのボーンをVRChat上で機能させるための設定や、アバターの外観に影響するシェーダーの調整などを行いました。デスクトップ用のアバターには「ユニティちゃんトゥーンシェーダー2.0(UTS2 v.2.0.9)」、Quest対応アバターには「Standard Lite」を設定しています。

シェーダー:UTS2 v.2.0.9
輪郭線がつき、色の諧調がはっきり分かれることで、アニメ調の雰囲気になる

シェーダー:Standard Lite
Quest対応アバターでは、デバイスの処理能力の都合で、処理の軽いシェーダを使用しなければならない

諸々の設定をした後、アバターのデータをVRChatサーバーにアップロードして作業は完了です。

実際に使用して感じたこと

アップロード完了後、実際に使用してみました。
座ったときにアバターの一部が地面にめり込む、視点が低すぎて不便などの結構致命的な問題点はあるものの、アバターとして機能することを確認しました。

今後の展望

今回制作したモデルには、頂点が少なくモデルの見た目がカクカクしている、口が動かない、表情が変化しないなど荒削りな部分が多々あります。
今後は、モデルをより魅力的なものになるようにブラッシュアップしていきます。
具体的には、以下の3つに取り組んでいきます。

  • モデルをより滑らかにすることでキャラクターの丸みを表現する
  • 声に合わせて口が動くようにする
  • 表情を変えられるようにし、中の人の感情を視覚的に伝えることを可能にする

プロジェクト情報

プロジェクト名称:主軸ユニットくん3Dモデルの試作

制作期間:2023年3月2日〜3月5日

工数:実作業は約8時間。構想や試作モデルにかかった時間も含めると約12時間。

状況:完了